今日は、強押し(ツヨオシ)のお客様について書いてみますね。
強押しとは、強い押しを求めるお客様のことです。
整体・セラピストの現場経験者の方なら、皆さんご存知かと思います。
以下の記事も参考になります☆
指名が取れないセラピストへ『指名の取り方』たった10個のコツとは
強押しのお客様とどのように向かい合ってゆくべきか。
これは、一施術者としても、お店単位で考えても結構大切なポイントです。
ただ一概に言えない点が多く、少し分類しながら考えてゆきましょう。
- まず、強押しのお客様を担当することが、過度に負担に感じない施術者。(強押し平気)
- 一方、強押しのお客様を担当することが、心身ともに辛さを伴うという施術者。(強押し苦手)
の2手に別れます。
ちなみに、平気タイプには、女性施術者が多く、苦手タイプには男性施術者が多い傾向にあります。
考えられる理由としては、
- やはり女性には、強さを求めづらい。
- 男性は、頑張るだけ強く押せてしまう。
- 女性は、受け流すのがうまい。
- 男性は、言われる方が嫌だから無理しても押す。
などですが、他にも人により様々あると思います。(__)
ここで、「そもそも強押しとは何か。」について改めて考えてみました。
強押しとは、強い押しを求めるお客様のことです。
と、先ほど言いました。
確かに。
ただ、もっと本質的で大切なポイントが隠れていたことに気が付いたのです。
私達が強押しと分類するお客様は、体が硬いお客様だったでしょうか?
「強さを求めてくる」お客様ではなかったでしょうか。
「強さを求められた」から「強押し」だと感じるのです。
つまり「強押し」のお客様には、「隠れた強押し」というお客様はいないという事です。
私たち施術者は、硬さに応じて、硬いお客様には強く。柔らかいお客様には弱く。施術を行います。
この力加減は体に染みついているものです。
だから、硬いお客様に対して、弱く押すことはありません。(通常)
それでも、「もっと強くお願いします」と求めてくるのです。
それがプレッシャーになるのです。
つまり、強押しのお客様とは、「プレッシャーをかけてくるお客様」という事ができます。
「高圧的」で「主張の強い」お客様を、私たちは「強押し」だと感じるのです。
そう考えると、なぜ強押しの方を負担に感じるのか、わかるような気がしますね。(^_-)-☆
そのような強押しのお客様とどのように向かい合ってゆくべきなのか?
というのがテーマでしたよね。
強押しのお客様は、整体・リラクゼーションが好きな方が多いです。
頻繁に利用してくれるのです。
つまり、良いお客様としての側面があることは確かです。仕事があってこそですから。
遠慮なく自己主張できる方が、整体・リラクゼーションを好きになるのはわかりますよね。
ベストな力加減を思うがままに伝えられるのですから。
施術者としては、そこは、強くやり過ぎない方がが良い…とか、他の部位も少しは行った方が良い…
などなど、心労を伴う方も少なくないかと思いますが…
強押しのお客様との向き合い方は、環境によって分けて考える必要があるでしょう。
施術者と一概に言っても、置かれた立場での対応というものがありそうです。
そこで、以下の3つの施術者に分けて考えてみることにしましょう。
- 店舗に所属して、施術者として歩合で働いている。
- 開業されている。
- 経営者。
1.店舗に所属して、施術者として歩合で働いている。
まだ、他の仕事での人生も模索している時期なら、無理し過ぎない方が良いでしょう。
強押しの方に対応できる施術者は、開業している先生と技術的には差がないと言えます。ただ、仕事への意識が異なります。
店舗がなくなっても、他で働けば良いのですから。大切にできるお客様を大切にして、自分の体を守る働き方を身に着けていく必要があるでしょう。
それができなければ、道は2つしかありません。開業するか。体が壊れるかです。
この仕事に真面目に取り組めば、無傷ではいられないのが事実。でも、仕事とはそういうものなのです。反復性、継続性を持てば、体の一部へ負荷の集中が続くことは、デスクワークも他の多くの職業にも共通する事実です。
強押しのお客様への対応含め、人として、施術者として成長してゆく必要があります。
自己を守ることが、お客様へのサービスの継続にも繋がることを意識してください。
肩こりのお客様がいます。フルパワーで押せば10の力で押せるとします。10の力で、3日押せば、10×3日で30の力を与えたことになります。7の力で6日押せば、7×6日で42の力を与えることができます。
肩こりの緩和が仕事ですよね。何年も続けてゆくから仕事なのです。
肩こりを消せると思いますか?
どんな一流のアスリートですすら、数日練習しないと身体能力が低下するのは常識ですよね。
残念ながら、体は自然物。
一度緩めた肩も、また硬くなってゆくのです。
時系列的に考えながら施術を組み立てていきましょう。
2.開業されている。
開業されているからには、答えはシンプルです。
ペイできるか否か。そこで判断せざるを得ないでしょう。
ペイできる。とは、利益が出る。という意味ですが、金銭的利益、体の損傷、精神の摩耗、地域への評判、全てを含めた上で利益が上回るか下回るか。という基準です。
お店の将来を考えると、通ってくれる方を失うことは極力避けたいはずです。
感情的にならず、何のために働いているのかを見据えましょう。人としての心ある範囲内で、予約の調整などを行いましょう。
それは、自分の施術者生命を守るためですが、同時に、強押しの方の将来的なケアの継続を見据えてのことなのです。
3.経営者。
喉元過ぎれば熱さを忘れる。かつて施術者だった人も、経営者になれば会社の存続が全て。
スタッフの関節が炎症を起こすことより、お客様とのトラブルの方が遥かに怖いものです。それは、人として、経営者として極自然な思考なのです。
ペイできる否か。大切なのはそこです。
しかし、経営者の方に、施術経験が少ない方や、強押しのお客様を平気とするタイプの方がいたら、その会社のスタッフは体が壊れるでしょう。
結果として、スタッフの早期離職に繋がり、人材不足に悩み続けることになります。
関節に炎症を起こしながら、確実に壊れてゆく痛みを理解することが必要です。あるいは、思い出さなければいけません。
人間が人間を癒すサービスです。
商品管理を怠れば、サービスの低下に直結します。10人に1人もいない強押しのお客様のために、商品が腐ってゆくのです。
経営者の方こそ、この問題に取り組むメリットが大きいことを理解してください。しかも、他店が放置している早期に取り組むことで、より優位な結果を生み出せるでしょう。(取り組み方がわからない方、忙しくて手が回らない方には、ご提案可能ですのでご相談ください。)
心の手抜き
心の手抜きは、絶対許されません。お客様に必ず伝わります。
しかし、力加減に限界には限界があります。そのラインを越えて施術を続けることで、確実に体が壊れてゆきます。
このことは、お客様にはわからないのです。「強押しのお客様」だってわかりません。
私たちは、毎日、複数のお客様を施術します。
しかし、お客様からしたら、自分の時間が全てなのです。
改めて、「強押しのお客様」について考えてみて。
整体・リラクゼーションの業界が浸透してきた今。
変わらずに行われていることがあります。
それは、「スタッフの使い捨て」です。
この業界は、スタッフを使い捨てにすることを半ば前提として育ってしまいました。
「強押しのお客様」について考えてゆくことは、当業界の思考を改め、発展させてゆくことに他なりません。
個人でできること。から、はじめてゆきましょう。
私たち、1人1人が今後の整体・リラクゼーションの業界を作ってゆくのですから。
以下の記事も参考になりますよ☆
指名が取れないセラピストへ『指名の取り方』たった10個のコツとは